重要な特定されたリスク

重篤な感染症

重篤な感染症

ウイルス、細菌等による重篤な感染症があらわれることがある。本剤投与中に重篤な感染症を発現した場合は、感染症が消失するまで本剤の投与を中止すること。

本剤は免疫を抑制する作用を有することから、感染症のリスクを増大させる可能性があります。また、本剤の臨床試験において重篤な感染症が認められています。副作用発現状況について、中等症から重症の局面型皮疹を有する乾癬患者を対象とした国際共同第Ⅲ相臨床試験(IM011-046試験)と海外第Ⅲ相臨床試験(IM011-047試験)の統合解析に基づいて紹介します。また、日本人集団については、国際共同第Ⅲ相臨床試験(IM011-046試験)の日本人集団と、中等症から重症の局面型皮疹を有する乾癬患者、膿疱性乾癬患者及び乾癬性紅皮症患者を対象とした国内第Ⅲ相オープンラベル試験(IM011-066試験)の結果から紹介します。

対処法

重篤な感染症が発現した場合は、感染症が消失するまで本剤の投与を中止してください。

投与中の注意事項

十分な観察及び問診を行うなど、感染症の徴候及び症状に十分注意してください。
患者に対し、感染症の徴候又は症状があらわれた場合には、速やかに主治医に連絡するよう指導してください。

臨床試験における感染症の発現状況

国際共同第Ⅲ相臨床試験(IM011-046試験)と海外第Ⅲ相臨床試験(IM011-047試験)の統合解析において、投与開始から16週までの感染症の有害事象の発現率は、本剤投与群で29.1%(245/842例、116.0/100人・年)、プラセボ群で21.5%(90/419例、83.7/100人・年)、アプレミラスト群で22.0%(93/422例、84.8/100人・年)でした。感染症のほとんどは、いずれの群においても非重篤かつ軽度から中程度であり、投与中止に至った感染症は本剤投与群0.2%(2/842例)、プラセボ群0.5%(2/419例)、アプレミラスト群0.2%(1/422例)でした。重篤な感染症の有害事象の発現率は、本剤投与群で0.6%(5/842例、2.0/100人・年)、プラセボ群で0.5%(2/419例、1.6/100人・年)、アプレミラスト群で0.5%(2/422例、1.6/100人・年)でした。

また、同一統合解析において、投与開始から52週までの感染症の有害事象の発現率は、本剤投与群で46.6%(636/1364例、95.4/100人・年)、プラセボ群で23.7%(158/666例、74.6/100人・年)、アプレミラスト群で32.7%(138/422例、77.0/100人・年)であり、いずれの群においても投与開始から16週までの曝露期間で調整した発現率と比較して増加しませんでした。重篤な感染症の有害事象の発現率は、本剤投与群1.2%(17/1364例、 1.7/100人・年)、プラセボ群0.3%(2/666例、0.8/100人・年)、アプレミラスト群0.9%(4/422例、1.8/100人・年)でした。

国際共同第Ⅲ相臨床試験(IM011-046試験)と海外第Ⅲ相臨床試験(IM011-047試験)の統合解析において、投与開始から16週までの感染症の副作用の発現率は本剤投与群で5.7%(48/842例)、プラセボ群で3.3%(14/419例)、アプレミラスト群で4.7%(20/422例)でした。重篤な感染症の副作用は、本剤投与群では上気道感染が1例、プラセボ群では蜂巣炎が1例、アプレミラスト群では限局性感染が1例に認められました。

また、同一統合解析において、投与開始から52週までの感染症の副作用の発現率は本剤投与群で9.3%(127/1364例、13.7/100人・年)、プラセボ群で3.8%(25/666例、10.3/100人・年)、アプレミラスト群で6.6%(28/422例、12.9/100人・年)でした。重篤な感染症の副作用は、本剤投与群では2例(上気道感染、COVID-19各1例)、プラセボ群では蜂巣炎が1例、アプレミラスト群では2例(限局性感染、マイコプラズマ感染各1例)に認められました。

国際共同第Ⅲ相臨床試験(IM011-046試験)と海外第Ⅲ相臨床試験(IM011-047試験)の統合解析

感染症の副作用
本剤投与群 プラセボ群 アプレミラスト群
発現例数/評価例数
(%)
発現例数/評価例数
(%)
発現例数/評価例数
(%)
投与開始から16週まで 感染症 48/842 ( 5.7 ) 14/419 ( 3.3 ) 20/422 ( 4.7 )
重篤な感染症 1/842 ( 0.1 ) 1/419 ( 0.2 ) 1/422 ( 0.2 )
投与開始から52週まで 感染症 127/1364 ( 9.3 ) 25/666 ( 3.8 ) 28/422 ( 6.6 )
重篤な感染症 2/1364 ( 0.1 ) 1/666 ( 0.2 ) 2/422 ( 0.5 )

感染症はMedDRA 器官別大分類の「感染症および寄生虫症」として集計

投与開始から16週までの感染症の副作用
本剤投与群
N=842
プラセボ群
N=419
アプレミラスト群
N=422
例数(%) 例数(%) 例数(%)
感染症および寄生虫症 48(5.7) 14(3.3) 20(4.7)
上気道感染 13(1.5) 6(1.4) 8(1.9)
上咽頭炎 12(1.4) 4(1.0) 4(0.9)
口腔ヘルペス 7(0.8) 0 0
毛包炎 3(0.4) 0 0
単純ヘルペス 2(0.2) 0 1(0.2)
咽頭炎 2(0.2) 0 1(0.2)
鼻炎 2(0.2) 0 3(0.7)
副鼻腔炎 2(0.2) 0 0
尿路感染 2(0.2) 1(0.2) 0
気管支炎 1(0.1) 0 0
帯状疱疹 1(0.1) 1(0.2) 0
インフルエンザ 1(0.1) 0 0
喉頭炎 1(0.1) 0 0
外耳炎 1(0.1) 0 0
扁桃周囲膿瘍 1(0.1) 0 0
肺炎 1(0.1) 0 0
蜂巣炎 0 1(0.2) 0
結膜炎 0 0 1(0.2)
胃腸炎 0 0 1(0.2)
歯肉炎 0 0 1(0.2)
限局性感染 0 0 1(0.2)
爪囲炎 0 1(0.2) 0
気道感染 0 0 1(0.2)
白癬感染 0 1(0.2) 0
足部白癬 0 1(0.2) 0

MedDRA 23.1

投与開始から52週までの感染症の副作用
本剤投与群
N=1364
プラセボ群
N=666
アプレミラスト群
N=422
例数(%) 発現率
(/100人・年)
例数(%) 発現率
(/100人・年)
例数(%) 発現率
(/100人・年)
感染症および寄生虫症 127(9.3) 13.7 25(3.8) 10.3 28(6.6) 12.9
上咽頭炎 33(2.4) 3.4 6(0.9) 2.4 5(1.2) 2.2
上気道感染 30(2.2) 3.1 9(1.4) 3.6 12(2.8) 5.4
口腔ヘルペス 12(0.9) 1.2 1(0.2) 0.4 1(0.2) 0.4
咽頭炎 10(0.7) 1.0 2(0.3) 0.8 3(0.7) 1.3
副鼻腔炎 9(0.7) 0.9 1(0.2) 0.4 0
毛包炎 7(0.5) 0.7 0 0
帯状疱疹 6(0.4) 0.6 1(0.2) 0.4 0
気管支炎 5(0.4) 0.5 0 0
単純ヘルペス 4(0.3) 0.4 2(0.3) 0.8 1(0.2) 0.4
尿路感染 4(0.3) 0.4 1(0.2) 0.4 0
インフルエンザ 3(0.2) 0.3 1(0.2) 0.4 0
鼻炎 3(0.2) 0.3 0 3(0.7) 1.3
外陰腟真菌感染 3(0.2) 0.3 0 0
COVID-19 2(0.1) 0.2 0 0
蜂巣炎 2(0.1) 0.2 1(0.2) 0.4 0
中耳炎 2(0.1) 0.2 0 0
肺炎 2(0.1) 0.2 0 0
扁桃炎 2(0.1) 0.2 0 0
ウイルス性上気道感染 2(0.1) 0.2 0 0
体部白癬 1(0.1) 0.1 0 0
膀胱炎 1(0.1) 0.1 0 0
真菌性耳感染 1(0.1) 0.1 0 0
眼感染 1(0.1) 0.1 0 0
せつ 1(0.1) 0.1 0 0
胃腸炎 1(0.1) 0.1 0 1(0.2) 0.4
ウイルス性胃腸炎 1(0.1) 0.1 0 0
麦粒腫 1(0.1) 0.1 0 1(0.2) 0.4
喉頭炎 1(0.1) 0.1 0 0
眼帯状疱疹 1(0.1) 0.1 0 0
外耳炎 1(0.1) 0.1 0 0
扁桃周囲膿瘍 1(0.1) 0.1 0 0
クラミジア性肺炎 1(0.1) 0.1 0 0
マイコプラズマ性肺炎 1(0.1) 0.1 0 0
気道感染 1(0.1) 0.1 0 1(0.2) 0.4
皮膚カンジダ 1(0.1) 0.1 0 0
足部白癬 1(0.1) 0.1 1(0.2) 0.4 0
細菌性扁桃炎 1(0.1) 0.1 0 0
歯膿瘍 1(0.1) 0.1 0 0
ウイルス感染 1(0.1) 0.1 0 0
結膜炎 0 0 1(0.2) 0.4
耳感染 0 1(0.2) 0.4 0
歯肉炎 0 0 1(0.2) 0.4
限局性感染 0 0 1(0.2) 0.4
マイコプラズマ感染 0 0 1(0.2) 0.4
爪囲炎 0 1(0.2) 0.4 0
白癬感染 0 1(0.2) 0.4 0

MedDRA 23.1

日本人集団

国際共同第Ⅲ相臨床試験(IM011-046試験)の日本人集団における投与開始から16週までの感染症の副作用の発現率は本剤投与群で3.1%(1/32例)、プラセボ群で5.9%(1/17例)であり、アプレミラスト群では感染症の発現は認められませんでした。

国際共同第Ⅲ相臨床試験(IM011-046試験)の日本人集団と国内第Ⅲ相オープンラベル試験(IM011-066試験)の統合解析における投与開始から52週までの感染症の副作用の発現率9.2%(11/119例)、重篤な感染症として、肺炎(1例)が報告されました。

国際共同第Ⅲ相臨床試験(IM011-046試験)の日本人集団と国内第Ⅲ相オープンラベル試験(IM011-066試験)の統合解析(尋常性乾癬患者)

投与開始から52週までの感染症の副作用
本剤投与群(尋常性乾癬のみ)
N=119
例数(%) 発現率
(/100人・年)
感染症および
寄生虫症
11( 9.2 ) 10.1
上咽頭炎 5( 4.2 ) 4.4
毛包炎 3( 2.5 ) 2.6
体部白癬 1( 0.8 ) 0.9
せつ 1( 0.8 ) 0.9
胃腸炎 1( 0.8 ) 0.9
帯状疱疹 1( 0.8 ) 0.9
肺炎 1( 0.8 ) 0.9
扁桃炎 1( 0.8 ) 0.9

MedDRA 23.1

国内第Ⅲ相オープンラベル試験(IM011-066試験)の感染症の副作用の発現率は尋常性乾癬患者で7.9%(5/63例)、汎発型膿疱性乾癬患者、乾癬性紅皮症患者を合わせた全体では8.1%(6/74例)でした。
重篤な感染症は尋常性乾癬患者の1例に肺炎が認められました。

国内第Ⅲ相オープンラベル試験(IM011-066試験)

投与開始から52週までの感染症の副作用
尋常性乾癬
N=63
汎発型膿疱性乾癬
N=3
乾癬性紅皮症
N=8
全体
N=74
例数(%) 例数(%) 例数(%) 例数(%)
感染症および寄生虫症 5( 7.9 ) 1 0 6( 8.1 )
上咽頭炎 3( 4.8 ) 0 0 3( 4.1 )
毛包炎 1( 1.6 ) 0 0 1( 1.4 )
せつ 1( 1.6 ) 0 0 1( 1.4 )
胃腸炎 1( 1.6 ) 0 0 1( 1.4 )
単純ヘルペス 0 1 0 1( 1.4 )
肺炎 1( 1.6 ) 0 0 1( 1.4 )
扁桃炎 1( 1.6 ) 0 0 1( 1.4 )

MedDRA 23.1

詳細は「適正使用ガイド」をご参照ください。

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